好きとか嫌いという気持ちは自然現象のようにコロコロ変わるのではなくて、じつはあの人のことを好きとかきらいだと自分で決めているということです。
好きだったらその人と積極的に関わるでしょう? そういう行動をおこすために好きという感情を作っているのです。
「恋に落ちる」みたいなことをいう人がいますが、本当は落ちるのではなくて自分で相手を好きになろうとを決めているのです。
なんで人の好きとかきらいは変わるのか(小2・女子)
哲学者
岸見一郎さん
元郵便局員・『41歳の東大生』著者
小川和人さん
環境活動家
露木しいなさん
書いた本『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え(古賀史健との共著、ダイヤモンド社)はベストセラーになり、世界中で1200万部売れている(2023年7月現在)。他の本に『泣きたい日の人生相談』、『今を生きる思想 エーリッヒ・フロム 孤独を恐れず自由に生きる』(講談社)、『ゆっくり学ぶ』(集英社)など。
A
「変わる」のではなく「変える」です
取材・文/Questionary編集部
1956年、千葉県市川市生まれ。1980年、明治学院大学社会学部卒業。証券会社勤務、学習塾講師、教材制作会社勤務を経て、1988年、江戸川郵便局集配課(現日本郵便株式会社)に勤務。1997年、41歳で東京大学に入学し、2001年に卒業。郵便局で働きながら東京大学を受験、合格し、4年間通ったその経験をまとめた著書『41歳の東大生』(草思社)が話題に。2016年に日本郵便株式会社を定年退職。家族は妻と息子ふたり、孫ひとり。
A
それまで知らなかったことを 知ることができるから
人の”好き”とか”嫌い”が変わるのは、多くの動物とちがって、人は勉強して、それまで知らなかったことを知ることができるからだ。 知らなかったことを知ることで、”嫌い”と思っていたことに興味がわいてきて、”好き”になることがある。
反対に”好き”だと思っていたことも、どうでもよくなったり、“嫌い”になってしまうことだってある。
こわいけど、そういうことだ。
そしてそれは、知ってからはじめてわかることだ。
だから、「知る」ということは本当にだいじなことなんだ。 なにも知らないで、”好き”となんとなく思っているより、よく知ってから好きになるほうがずっといいし、かりに“嫌い”になったとしても、なにも知らないよりはずっといい。
ぼくはそう思う。
これは人間だけができる「心変わり」だ。 だから、変わることは、とても人間らしいことなのである。
取材・文/Questionary編集部
2001年1月18日生まれ。神奈川県出身。高校時代はインドネシアのバリ島にあるグリーンスクールへ留学。2019年9月、慶應義塾大学環境情報学部に入学。 現在、気候変動の問題を子どもたちに伝えるため大学を休学し、環境活動家として活動中(全国の小中高大学約220校、3万人に講演)。また、日本初、国際基準コスモスオーガニック認証を取得したリップSHIINA organicをプロデュース。環境問題の解決策を紹介しているリールは小学生が見てもわかりやすいものばかり。Instagram:@shiina.co
A
これは自分自身の問題
これはねぇ、、、自分自身の問題だと思います。
例えば、今まで相手のいいところだけが見えていたけど、新しい一面が見えた時にきらいになっちゃう。その相手は変わっていないから、その人が悪いわけではないんですよね。
私もそういう経験があります。私は高校生の時にバリのグリーンスクールに通っていて、そこでは全然知らないコたちと1、2年毎日同じ部屋で生活するんです。最初は「いいな」と思う相手の部分も、だんだんきらいになってしまうことがありました。
そんなときは、自分がその人の「いいな、ステキだな」と思うところだけを見るようにしていました。
取材・文/Questionary編集部