昔なかったものは、たくさんありますよね。
今はAIなんていうものまで出てきました。
私、AIのセミナーにも行ってみたんですよ。便利なんでしょうけど、私はやっぱり、自分で調べて、自分で考えたい。
人間は自分で考えるから、その人にしかない考えや、想像する力が生まれるんじゃないでしょうか。もちろん、これからAIがもっと先へ行って、人間の代わりをする時代が来るのかもしれない。
でもね、便利になったことで、やらなくなったこともたくさんあるでしょう。
私は、もう一回、手仕事を見直したほうがいいと思うんです。
大学で教えていた頃、入学したばかりの学生たちに、「みんなで雑巾を縫おう」って提案したことがあります。ところが先生たちは、「針でけがをしたら危ないから」って反対しました。私は、おかしいなあと思いました。
昔は、おばあちゃんが「針に糸を通してちょうだい」って言うと、小さな孫が手伝っていました。それが当たり前だったんです。
看護でも、患者さんの体を拭くときは、タオルをしっかり絞れないと困ります。でも、実際にうまく絞れない学生もいました。
そんなとき、保育園の6歳の子どもたちが、卒園の記念に雑巾を縫っているのを見たんです。色とりどりの糸で、とてもきれいに縫っていました。6歳の子ができることを、大学生ができない。私は、それが少し寂しかったですね。
「手間暇」っていう言葉があるでしょう。時間はかかる。でも、自分の手を使うことでしか身につかないことがある。
それから、プラスチックもそうですね。
病院でも、エプロンやマスクを一回使ったら捨てる。便利になったけれど、その分、地球への負担も大きくなっています。
新しいものは大事です。でも、新しいから、便利だから、それだけでいいとは限らない。
本当に人間にとっていいものなのか。便利になることで、逆に失っているものはないのか。
そういうことも、自分で考えることが大事なんじゃないかなって思っています。