Q&A

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Q

誰が最初に音楽をつくったの?(7歳・男子)

こたえたおとなたち
  • ミュージシャン

    Shen (Def Tech)さん

  • 詩人

    伊藤比呂美さん

プロフィール

Shen (Def Tech)

ミュージシャン

Shen (Def Tech)(シェン/デフテック)さん

透明な歌声、心地よいメロディ、深い歌詞、才能豊かなパフォーマンス。
彼の音楽は美と哲学が融合し、DJとウクレレという独特の演奏スタイルは心地よいアイランドミュージックとして、オーディエンスの心を惹きつける。2008年Sony Music Associated Records よりオリジナルアルバム「SOLAIRO」をリリース。
近年は、ソロ活動の他に、様々なアーティストともコラボ活動も積極的に行っている。
2024年5月にはデジタルニューシングル「Cruz Li Dat」をリリース。
Def Tech としては"My Way"を含むファーストアルバム『Def Tech』を2005年に発売し280万枚超のセールスを記録した。2024年にはNulbarichのJQプロデュースによるデジタルニューシングル「FANTASY」をリリースし、現在はWhat The Frequency Tour を全国で開催中。

A

宇宙が最初に作ったんじゃないかな。

それはなぜかというと、すべては「周波数(*)」だから。

 

振動は響きで、響きは音楽。

少し難しいけど、あらゆる物質をつくる最小単位の「原子」はプラスとマイナスで響き合っているし、人間も、心臓の音という響きを自然に出している。

光も移動しながら振動しているから、音楽と言えるよね。

だから、人間の体も含めて、すべては宇宙の元につながっていると思うんです。

 

それと、最近聞いて面白かった話があります。

昔アフリカのある村で小さな問題が起きて、警察が来るぞ! と。そこで村のみんなは、愛にあふれたハッピーな曲を歌い始めたんだって。そのハッピーなエネルギーの中に入った警察の人たちは、気がついたら一緒に歌っていていつしか問題を忘れて帰ってしまったらしい。

 

それを聞いたとき、愛のエネルギーは伝染するし、音楽の力はあらためてすごいと思った。ある意味、音楽で自分自身を守れるんだよね。

 

だから、最近東京を歩いているとき、僕はたまに口笛を吹いたり、鼻歌を歌ったりしている。そうすると、都会のカオスから自分を守れる気がするから。

 

ウクレレもよく持ち歩いていました。『コアロハ』っていう日系人がやっているブランドで、そのブランドの意味は簡単に言うと「アロハが現れる」ということ。アロハは愛にあふれたハワイのメッセージ。だから、この音を弾けば東京のカオスが気にならなくなるんだよね。

 

しかも、街中でウクレレを鳴らすと「その音色素敵ですね」「なんかハワイを感じます」なんて言われる。もちろん場所には気をつけているけどね、「うるさい!」という目で見られたことはないかな(笑)。

 

*電波・光などが一秒間に何回向きを変えるかという数、つまり振動数。単位はヘルツ

 

取材・文/Questionary編集部

Q&A / 2024.10.30

プロフィール

Shen (Def Tech)

ミュージシャン

Shen (Def Tech)(シェン/デフテック)さん

透明な歌声、心地よいメロディ、深い歌詞、才能豊かなパフォーマンス。
彼の音楽は美と哲学が融合し、DJとウクレレという独特の演奏スタイルは心地よいアイランドミュージックとして、オーディエンスの心を惹きつける。2008年Sony Music Associated Records よりオリジナルアルバム「SOLAIRO」をリリース。
近年は、ソロ活動の他に、様々なアーティストともコラボ活動も積極的に行っている。
2024年5月にはデジタルニューシングル「Cruz Li Dat」をリリース。
Def Tech としては"My Way"を含むファーストアルバム『Def Tech』を2005年に発売し280万枚超のセールスを記録した。2024年にはNulbarichのJQプロデュースによるデジタルニューシングル「FANTASY」をリリースし、現在はWhat The Frequency Tour を全国で開催中。

プロフィール

伊藤比呂美

詩人

伊藤比呂美(イトウヒロミ)さん

1955年東京都生まれ。78年に『草木の空』でデビュー、80年代の女性詩ブームを牽引。結婚、出産を経て97年に渡米。詩作のほか小説、エッセイ、人生相談など幅広い創作活動を行っている。『河原荒草』で高見順賞、『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』(講談社文庫)で萩原朔太郎賞・紫式部賞を受賞したほか、『道行きや』(新潮社)、『いつか死ぬ、それでも生きる わたしのお経』(朝日新聞出版)、『対談集 ららら星のかなた』(谷川俊太郎氏との共著)など著書多数。

A

実は、音楽と詩は、根っこが同じなんです。

それは、人間です。

 

風の音を聞いて「うつくしい」と感じたり、鳥の声を聞いて「たのしい」と感じて、まねしてみたいと思ったり。

 

音には高低があるのに気づいたり、どうやったらそれが出せるか工夫してみたり。

 

音楽って、そうやってできてきたんじゃないでしょうかね。

 

実は、音楽と詩は、根っこが同じなんです。

 

例えば「まじない」ってあるでしょ。「痛いの痛いの飛んでけえ」って。

 

あれも詩のうちのひとつなんです。

 

それから、民話のように、「誰がどう生きて、どう死んだのか」という物語を人と共有するときの「語り」。

 

もうひとつは、目に見えない大きなものに向かって声を届けること。
一方的だけど、それは「うた」につながります。

 

つまり、「まじない」「語り」「うた」、この3つが詩の大切な要素です。

 

私は、詩人としてずっと自分の言葉で表現してきました。

 

「変わりたい」と思いながらも、結局、自分は変わらない。

 

言葉はみんなが使うものだけど、私の詩は、一言見ただけで「私のもの」とわかります。

 


でも、他の人の詩を見ても、それが誰のものかはわかりません。

取材・文/Questionary編集部

Q&A / 2024.10.30

プロフィール

伊藤比呂美

詩人

伊藤比呂美(イトウヒロミ)さん

1955年東京都生まれ。78年に『草木の空』でデビュー、80年代の女性詩ブームを牽引。結婚、出産を経て97年に渡米。詩作のほか小説、エッセイ、人生相談など幅広い創作活動を行っている。『河原荒草』で高見順賞、『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』(講談社文庫)で萩原朔太郎賞・紫式部賞を受賞したほか、『道行きや』(新潮社)、『いつか死ぬ、それでも生きる わたしのお経』(朝日新聞出版)、『対談集 ららら星のかなた』(谷川俊太郎氏との共著)など著書多数。

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