どうして小さい子にやさしくしないといけないのか(小3・男子)
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ピースボート共同代表
川崎哲さん
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元郵便局員・『41歳の東大生』著者
小川和人さん
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環境活動家
露木しいなさん
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探求型学習塾兼フリースクール『イドミィ』代表
高橋惇さん
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作家
町田康さん
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特定非営利活動法人NGO日本アフリカ国際開発(JANIDA)代表理事
Bukenya Abubakarさん
1968年東京都生まれ。ピースボート共同代表。2017年にノーベル平和賞を受賞した「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」の国際運営委員・会長。日本平和学会理事。著書に『核兵器はなくせる』(岩波ジュニア新書)、『絵で見てわかる 核兵器禁止条約ってなんだろう?』、『僕の仕事は、世界を平和にすること。』(旬報社)。どれも、世界のできごとと自分とのつながりを考えるきっかけをくれる必読書。2021年、第33回谷本清平和賞を受賞。
A
目の前に困っているひとがいたらみんな助けるんじゃないかな
取材・文/Questionary編集部
1956年、千葉県市川市生まれ。1980年、明治学院大学社会学部卒業。証券会社勤務、学習塾講師、教材制作会社勤務を経て、1988年、江戸川郵便局集配課(現日本郵便株式会社)に勤務。1997年、41歳で東京大学に入学し、2001年に卒業。郵便局で働きながら東京大学を受験、合格し、4年間通ったその経験をまとめた著書『41歳の東大生』(草思社)が話題に。2016年に日本郵便株式会社を定年退職。家族は妻と息子ふたり、孫ひとり。
A
きみもまわりの人たちの優しさに育てられている
それは、きみは自分が小さい子だったときのことを知っているが、小さい子は、 大きくなった自分をまだ知らないからだ。 ぼくはそう思う。
小さかったころ、きみはまわりの人たちに、きっと優しくしてもらったことがあるはずだ。かりに覚えていなくても、それはきみの心のなかに残り、きみの一部になっているはずだ。きみはまわりの人たちの優しさに育てられたのだ。 そうして、きみは少しずつ大きくなり、成長したのである。人はひとりでは大きくなれない、ということだね。
だから、むかし小さい子だったきみは、小さい子の気持ちを想像することができる。小さい子は、きみの気持ちを想像することができない。 想像することができれば、小さい子を思いやる気持ちももてるはずだ。 なぜなら、小さい子は、小さい子だったときのきみ自身でもあるのだから。 きみがまわりの人たちから優しさを教えてもらったように、きみも小さい子に優しさを教えなければならない。
そうやって小さい子に優しくできれば、小さい子はそれを自分の体験として、こ んどはもっと小さい子に優しくできるはずだ。 そうして、優しさの連鎖(れんさ)、 優しさの輪を広げていかなくてはいけない。
だから小さい子には優しくしないといけない。
取材・文/Questionary編集部
2001年1月18日生まれ。神奈川県出身。高校時代はインドネシアのバリ島にあるグリーンスクールへ留学。2019年9月、慶應義塾大学環境情報学部に入学。 現在、気候変動の問題を子どもたちに伝えるため大学を休学し、環境活動家として活動中(全国の小中高大学約220校、3万人に講演)。また、日本初、国際基準コスモスオーガニック認証を取得したリップSHIINA organicをプロデュース。環境問題の解決策を紹介しているリールは小学生が見てもわかりやすいものばかり。Instagram:@shiina.co
A
小さい子だから優しくしなきゃいけないわけではない
小さい子だから優しくしなきゃいけないわけではないと思います。
例えば、誰かに「あなたのこと嫌い」って言われると、子どもも大人も悲しいじゃないですか。
だから、大人にも子どもにも同じように優しくしなければいけないけど、とくに自分よりも年下の子に優しくしたほうがいいのは、体の大きさとか力の差があるからだと思います。
もし小さい子とケンカをしたら、きっと自分の方が強いですよね。
自分の友達と遊んでるような感覚で遊ぶと、痛い思いや悲しい思いをさせてしまうかもしれないから、小さい子には優しくしようね、ということなんじゃないかな。
取材・文/Questionary編集部
1989年広島県生まれ。中学校・高等学校教諭一種免許状(国語)保持。神戸大学発達科学部卒業後、東京でお笑い芸人として活動するも、2年半で挫折。2015年には「旅する先生」という旗を掲げて自転車で日本一周旅(474日間)をしながら、小学校24校、中学校15校、高校18校、大学5校で講演会や出前授業を実施し、今まで7000人以上の子どもたちに「挑戦する姿勢」を伝えてきた。2017年に探究型の学習塾兼フリースクール『イドミィ』開校。著書に『一歩ふみだす勇気』(スタプロブックス)。
A
「やさしさのバトン」を渡していくことって、とても大切
あなたが通ってきた道に、今その小さい子はいるわけです。
あなたがその道にいたとき、年上の誰かがきっと助けてくれていたし、その年上の誰かも、小さい頃は自分より年上の誰かに助けられていたし、そういう「優しさのつながり」があって、今の自分たちがあると思うんです。
自分が経営するスクール「イドミィ」で子どもにもよく言うのですが、「恩送り」という言葉があって。
僕は自転車で日本一周をしていた時、いろいろな人と出会いました。
信号待ちをしていたらパンやジュースをもらったことがあるし、フェリー乗り場でゆっくりしていたら、近づいてきたおじいちゃんに「なにやってんだ」と言われて、自転車で旅をしていること、先生になりたいことを話したら、「お前教育興味あるんか、がんばれよ」と3万円くれたり。
そんな中、横浜で出会ったとある女性が、「私はあなたにいいことをしたかもしれないけど、あなたは私に何かを返すのではなくて、困っている人を助けてあげなさい」と言ってくれたんです。
それからは、旅の途中で熊本地震が起きたときはボランティアに行ったし、いただいた恩を困っている人に送っていくことを意識するようになりました。そういう「やさしさのバトン」を渡していくことって、とても大切だと思うんです。
取材・文/Questionary編集部
1989年広島県生まれ。中学校・高等学校教諭一種免許状(国語)保持。神戸大学発達科学部卒業後、東京でお笑い芸人として活動するも、2年半で挫折。2015年には「旅する先生」という旗を掲げて自転車で日本一周旅(474日間)をしながら、小学校24校、中学校15校、高校18校、大学5校で講演会や出前授業を実施し、今まで7000人以上の子どもたちに「挑戦する姿勢」を伝えてきた。2017年に探究型の学習塾兼フリースクール『イドミィ』開校。著書に『一歩ふみだす勇気』(スタプロブックス)。
1962年大阪府生まれ。『くっすん大黒』でドゥマゴ文学賞、野間文芸新人賞、『きれぎれ』で芥川賞、『土間の四十八滝』で萩原朔太郎賞、『権現の踊り子』で川端康成文学賞、『告白』で谷崎潤一郎賞、『宿屋めぐり』で野間文芸賞を受賞。また『ギケイキ』シリーズ、『男の愛』、『口訳 古事記』、『宇治拾遺物語』など、翻訳と創作の間を行き来する古典の現代語訳は、今も昔も変わらない人間の愛すべき馬鹿馬鹿しさ、どうしようもない人間らしさが詰まった、それぞれに心の底から笑えて、そしてときに喜怒哀楽を超越した感動を味わえる。
A
小さい子のほうが死にやすいから
それは、小さい子のほうが死にやすいからです。
病気とか、突然の事故とか、この世は死の危険に満ちています。
自分と小さい子を比較したら、小さい子の方が死にやすいでしょう。
親から見たら、自分の子どものほうが死にやすい。
親はよく「知らない人についていっちゃダメだよ」って言うじゃないですか。
それは、ついていったら死ぬから。
「急に車道に飛び出しちゃダメだよ」「川に入っちゃダメだよ」と言うのは、それをやると死ぬから。
だから、うるさいなあと思うかもしれないけど、親が言う「ダメ」は、場合によっては死を防止するためにあるんです。
取材・文/Questionary編集部
特定非営利活動法人NGO日本アフリカ国際開発(略称JANIDA)代表理事。日本人有志と協力をしてアフリカの地域社会に影響を及ぼしている気候変動、自然災害、飢餓、貧困などの解決に取り組んでいる。現在、日本に来て6年。
A
小さい子は弱くて傷つきやすい
小さい子は弱くて傷つきやすい。
だから、私たちの助けが必要なんだよ。
これは良いこと、悪いことというのを、私たちは小さい子に教えてあげなきゃいけないんだ。
取材・文/Questionary編集部
特定非営利活動法人NGO日本アフリカ国際開発(略称JANIDA)代表理事。日本人有志と協力をしてアフリカの地域社会に影響を及ぼしている気候変動、自然災害、飢餓、貧困などの解決に取り組んでいる。現在、日本に来て6年。