人生は楽しむ以外ない、心の底から肯定していい
小さい頃は、いろいろなことを思いついてはすぐ興奮するような子どもで、親にはやることなすこと「思いつくまま動くな」とおさえこまれていました。
でも、紙の上では自分のやりたいことがなんでもできました。だから、紙と鉛筆をどこにでも持っていって、紙の上で高層マンションを描いたり、欲しいゲームを買ってもらえなかったらそのゲームを紙の上で描いてやったりしていました。
その頃すでに気づいていたんですが、大人は、自分がそれを経験していたら子どもにできないとは言わないんです。逆に、経験していない大人には、「そんなのやっても無駄だよ」みたいに、強く否定されることが多かった。
だから、「やったことがある大人を見つけよう」と思いました。
とくに僕の場合、母親からの締めつけが強くて、基本的には全否定されていました。作家としてもう本も何冊か出しているのに、40歳になるまで医者になれと言われていたくらいです。
だけど、母親になにか否定的なことを言われても、右から左へ受け流していたからまったく傷つきませんでした。むしろ、「言ってくれてありがとう」と感謝するふりをしていました。
自分が好きなことをやるのがいちばん大事だから、そのためにはそこで母親ともめたらろくなことにならないし、やりたいことをひとりで静かにやっていたという感じでした。
そんなふうに、決して自由を与えられて育ったわけではないけど、今思い返すと、僕はなぜか少年のときからそういう切り抜け方みたいなものを知っていたんです。それは、誰も教えてくれなかったら、自分を守るために、自分で学んでいたんだと思います。
それが本当の「自己との対話」です。
自己との対話を身につければ、永遠に人生を肯定し続けられます。
だから、ときどきは自分の胸に手を当てて、なにが自分にとっていちばん面白いか、人生の目的はなんなのか、なにをしたら心の底から笑えるのかを確認してほしい。
人生は、楽しむ以外にないんです。心の底から肯定していいものなんです。
それを忘れないでほしい。