「明日はどうなるかわからない」を心に叩きこまれた
僕が子どもの頃によく言われたのは、「そんなに嫌ならお前やってみな」。
生意気だったんですよ。ああだこうだ理屈ばかり言う子でしたね。
当時は本当に物がなかった。本もなくて、新しくもらうのは教科書くらいでした。
その教科書は閉じられていないから、自分で折って閉じていました。
読むものがないから、教科書をもらったらすぐ読む癖がついてましたね。
そうすると1年分読み終わってしまって、授業中はもう寝てるしかない。
戦争が終わった時、その教科書に「墨を塗れ」と言われたんだから、何も当てにならないし、明日はどう変わるかわかったもんじゃないということを子ども心に叩き込まれました。
君たち子どもの将来について親がいろいろ言ってくるだろうけど、預言者じゃあるまいし、誰も未来のことなんてわかるわけがありません。
でも今は、世の中全体が「ああすればこうなる」という、まるで自分の人生がシュミレーションできると思っている節があります。いい加減、その考え方はやめたほうがいいね。
明日何が起こるかわからない。そんな時代を生きていることを意識してください。
そして、子どものうちは外に行って遊んでください。
「人間はどうして勉強しなきゃいけないの?」の質問にも答えたけれど、自然に触れて、自分で体を動かして、感じて考えること。遊ぶこと、好きなことをすることが、結果的に勉強になるんだから。
このあいだ子どもたちと一緒の時に僕が何かを質問をしたら、「インターネットで調べればいい」と返事した女の子がいました。なんでもインターネットに書いてあると思っているんですね。
国民の休日として、インターネットが一日使えない日を作るというのも、いいと思うんですけどね。
まずは、自分の頭で考えること。
地球上に70億人いて、70億個の脳があるのに、なんでわざわざ人工知能なんて作るのでしょう。
今ある脳を、もっと使いなさい。