森は悲しむと思います。
ゴミは、もともと森にあるものではないし、森は人間と違って動くことができないから、もしゴミを置かれてしまったら、それがなくなるまでただ何十年、何百年も待つしかない。
森が何を食べ物にしているかというと、土と水と光です。それを人間におきかえて考えると、食卓でご飯を食べるときに、ご飯の中にプラスチックを入れられて無理やり「食べろ」と言われているのと同じことなんです。
さらに、自分でそのプラスチックをどかすことができない。森にゴミを置くって、そういうことです。
森にゴミがおいてあるとどうなっちゃうの?(5歳・女子)
環境活動家
露木しいなさん
猟師
黒田未来雄さん
ファッションスタイリスト
竹村伊央さん
2001年1月18日生まれ。神奈川県出身。高校時代はインドネシアのバリ島にあるグリーンスクールへ留学。2019年9月、慶應義塾大学環境情報学部に入学。 現在、気候変動の問題を子どもたちに伝えるため大学を休学し、環境活動家として活動中(全国の小中高大学約220校、3万人に講演)。また、日本初、国際基準コスモスオーガニック認証を取得したリップSHIINA organicをプロデュース。環境問題の解決策を紹介しているリールは小学生が見てもわかりやすいものばかり。Instagram:@shiina.co
A
森は悲しむと思います
森は悲しむと思います。
ゴミは、もともと森にあるものではないし、森は人間と違って動くことができないから、もしゴミを置かれてしまったら、それがなくなるまでただ何十年、何百年も待つしかない。
森が何を食べ物にしているかというと、土と水と光です。それを人間におきかえて考えると、食卓でご飯を食べるときに、ご飯の中にプラスチックを入れられて無理やり「食べろ」と言われているのと同じことなんです。
さらに、自分でそのプラスチックをどかすことができない。森にゴミを置くって、そういうことです。
取材・文/Questionary編集部
1972年、東京生まれ。東京外国語大学卒。1994年、三菱商事に入社。国産自動車のアフリカ諸国への輸出を担当。1999年、NHKに転職。ディレクターとして「ダーウィンが来た!」などの自然番組を制作。北米先住民の世界観に魅了され、現地に通う中で狩猟体験を重ねる。2016年、北海道への転勤をきっかけに自らも狩猟を始める。2023年に早期退職。講演会や授業、執筆などを通じ、狩猟採集生活の魅力を伝えている。著書に「獲る 食べる 生きる 狩猟と先住民から学ぶ”いのち”の巡り」(小学館)。
A
誰も幸せになりません。
良くないです。
例えば、誰かが森にピクニックに行ってポテトチップスを食べて、その袋をポイ捨てしたとします。
で、もしクマがそれを見つけたら、においを嗅いだり、ちょっとペロメロなめたりして、「おいしい」と思うわけです。
そこには人間のにおいもして「これは人間が持ってきたものだ」と。
そうすると、クマは人間の食べ物を食べたいと思って人間に近づいてきて、最悪の場合襲われ、そのクマは駆除されるという事態になります。
これって、誰も幸せになりませんよね。
森の恵みは本当に素晴らしいです。
動物たちに住居や食べ物を提供してくれるし、人間にも喜びや自然のことを学ぶ楽しさも教えてくれる。
「なんでこんなになんでもくれるの?」と思うくらいで、人間だったら底抜けにいい人だなあと感じます。
取材・文/Questionary編集部
1972年、東京生まれ。東京外国語大学卒。1994年、三菱商事に入社。国産自動車のアフリカ諸国への輸出を担当。1999年、NHKに転職。ディレクターとして「ダーウィンが来た!」などの自然番組を制作。北米先住民の世界観に魅了され、現地に通う中で狩猟体験を重ねる。2016年、北海道への転勤をきっかけに自らも狩猟を始める。2023年に早期退職。講演会や授業、執筆などを通じ、狩猟採集生活の魅力を伝えている。著書に「獲る 食べる 生きる 狩猟と先住民から学ぶ”いのち”の巡り」(小学館)。
高校から服飾専門科を学び、卒業後渡英。University for the Creative Arts大学にてMAを取得。英国のエシカルファッションムーブメントを作り上げたアップサイクルブランドの1つ、 JUNKY STYLINGに勤務。同時にファッションスタイリストとしてもエシカルを中心としたスタイリングを手がける。 2010年帰国後、2012年にエシカルファッションの啓発活動をする団体:ETHICAL FASHION JAPAN(EFJ)を設立。 2015 年よりFASHION REVOLUTION JAPANのカントリーコディネーターを務める。一般社団法人unisteps共同代表理事。一児の母。
A
私たちの生活と深くつながっている
これは、2013年にバングラデシュ・ダッカで起きた『ラナプラザの崩壊事故』と重なる部分があるなと感じました。
8階建ての商業ビルには縫製工場や銀行、商店などが入っていて、建物の崩壊によって1134人が命を落とし、2500人以上が負傷しました。
ファッション業界が抱える過酷な労働環境が一気に明るみに出た出来事です。
崩壊の前日、ビルの壁に亀裂が見つかっていたにもかかわらず、多くの人が翌日も無理やり出勤させられました。
それは、現場のボスがビルに入らなかったら今月の給料を支払わないと言ったから。ボスもまた、仕事を依頼してきた相手から「早く仕上げろ」とプレッシャーをかけられていた。
その相手も、なぜそこまで急ぐかというと、私たちのような消費者が「とにかく安くたくさん買いたい」と求めているからです。
一見すると遠い国で起きた出来事のように思えるけれど、実際には私たちの消費行動と深くつながっています。
「安いからこっちを買おう」という選択が、めぐりめぐって、あの悲劇につながってしまったんだと思うんです。
この「ゴミ」の質問も同じだと思います。 自然に還らないゴミが土を汚し、土が汚れると微生物や動物が生きられなくなる。彼らがいなくなると木も育たず、森が失われ、空気はどんどん汚れていく。最終的には、私たちが吸う空気にも影響が出てくる。
ファッションのことも、森のことも、すべては私たち自身とつながっています。
だからこそ、「自分の行動を少し変えること」が、世界を少し良くすることにつながるんじゃないかなと思います。
取材・文/Questionary編集部
高校から服飾専門科を学び、卒業後渡英。University for the Creative Arts大学にてMAを取得。英国のエシカルファッションムーブメントを作り上げたアップサイクルブランドの1つ、 JUNKY STYLINGに勤務。同時にファッションスタイリストとしてもエシカルを中心としたスタイリングを手がける。 2010年帰国後、2012年にエシカルファッションの啓発活動をする団体:ETHICAL FASHION JAPAN(EFJ)を設立。 2015 年よりFASHION REVOLUTION JAPANのカントリーコディネーターを務める。一般社団法人unisteps共同代表理事。一児の母。