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ちきゅうおんだんかってなんでおこるの?(7歳・女子)

こたえたおとな
  • 猟師

    黒田未来雄さん

プロフィール

黒田未来雄

猟師

黒田未来雄(クロダミキオ)さん

1972年、東京生まれ。東京外国語大学卒。1994年、三菱商事に入社。国産自動車のアフリカ諸国への輸出を担当。1999年、NHKに転職。ディレクターとして「ダーウィンが来た!」などの自然番組を制作。北米先住民の世界観に魅了され、現地に通う中で狩猟体験を重ねる。2016年、北海道への転勤をきっかけに自らも狩猟を始める。2023年に早期退職。狩猟体験、講演会や授業、執筆などを通じ、狩猟採集生活の魅力を伝えている。

A

今の温暖化というのは、人間がやりたい放題やった結果です。

地球は、今まで温暖化したり寒冷化したりということを、大きなサイクルで繰り返しています。

 

でも、今の温暖化というのは、人間がやりたい放題やった結果です。

 

地球が顔を真っ赤にして、カンカンに怒っているような状態なんじゃないかな。

 

地球温暖化の影響は、猟師としても毎日すごく感じています。

 

動物たちも今混乱していて、もう少ししたら大ごとになってしまうんじゃないかと思うくらい。

 

例えば、冬眠する熊にとって雪はものすごく大事です。

 

お母さん熊は、雪に覆われた冬眠の穴の中で赤ちゃんを産みます。

 

冬眠は長いと半年近くに及びますが、赤ちゃん熊が生まれるのは、寒さのもっとも厳しい1月ごろ。

 

しかも、産まれてくる赤ちゃんは超未熟児。
ヒグマの赤ちゃんで言えば、ペットボトル1本ほどの大きさしかありません。

 

お母さん熊は、うつらうつらしながらも、冬眠の穴の中で赤ちゃんにおっぱいをあげて、赤ちゃんはそのおっぱいを飲んでどんどん大きく育ちます。

 

そうしているうちに、外は雪が溶けて山菜が芽吹きはじめ、自然の中には食べるものがふんだんにある状態になります。

 

その頃には、赤ちゃん熊もある程度歩けるくらいに育っていて、ようやく親子そろって冬眠の穴から出てくるんです。

 

でももし、その前にこれまでにないような大雨が降ったら、冬眠の穴の中はビシャビシャになるかもしれない。

 

そもそも雪が減ったら、いずれクマは冬眠ができなくなってしまうかもしれない。

 

それは、熊が何万年、何十万年かけて作り上げてきたシステムが、壊れてしまうということです。

 

だから、これ以上あたたかくなってしまったらと思うとものすごく不安です。

取材・文/Questionary編集部

Q&A / 2025.04.14

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黒田未来雄

猟師

黒田未来雄(クロダミキオ)さん

1972年、東京生まれ。東京外国語大学卒。1994年、三菱商事に入社。国産自動車のアフリカ諸国への輸出を担当。1999年、NHKに転職。ディレクターとして「ダーウィンが来た!」などの自然番組を制作。北米先住民の世界観に魅了され、現地に通う中で狩猟体験を重ねる。2016年、北海道への転勤をきっかけに自らも狩猟を始める。2023年に早期退職。狩猟体験、講演会や授業、執筆などを通じ、狩猟採集生活の魅力を伝えている。

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