地球は、今まで温暖化したり寒冷化したりということを、大きなサイクルで繰り返しています。
でも、今の温暖化というのは、人間がやりたい放題やった結果です。
地球が顔を真っ赤にして、カンカンに怒っているような状態なんじゃないかな。
地球温暖化の影響は、猟師としても毎日すごく感じています。
動物たちも今混乱していて、もう少ししたら大ごとになってしまうんじゃないかと思うくらい。
例えば、冬眠する熊にとって雪はものすごく大事です。
お母さん熊は、雪に覆われた冬眠の穴の中で赤ちゃんを産みます。
冬眠は長いと半年近くに及びますが、赤ちゃん熊が生まれるのは、寒さのもっとも厳しい1月ごろ。
しかも、産まれてくる赤ちゃんは超未熟児。
ヒグマの赤ちゃんで言えば、ペットボトル1本ほどの大きさしかありません。
お母さん熊は、うつらうつらしながらも、冬眠の穴の中で赤ちゃんにおっぱいをあげて、赤ちゃんはそのおっぱいを飲んでどんどん大きく育ちます。
そうしているうちに、外は雪が溶けて山菜が芽吹きはじめ、自然の中には食べるものがふんだんにある状態になります。
その頃には、赤ちゃん熊もある程度歩けるくらいに育っていて、ようやく親子そろって冬眠の穴から出てくるんです。
でももし、その前にこれまでにないような大雨が降ったら、冬眠の穴の中はビシャビシャになるかもしれない。
そもそも雪が減ったら、いずれクマは冬眠ができなくなってしまうかもしれない。
それは、熊が何万年、何十万年かけて作り上げてきたシステムが、壊れてしまうということです。
だから、これ以上あたたかくなってしまったらと思うとものすごく不安です。