カナダ・バンクーバー
自分の意見を発表する場が多い。
それが大人になってからの自信の原点
8年間バンクーバーで保育士をした経験のある藤井奈央子さん。現在は9歳と5歳のママで、夫の佑耶さんとともに保育士留学サイト『ホイクペディア』を運営している。
「私が働いていた保育園は、バンクーバーらしくさまざまな国籍の子がいました。だから、置いてあった人形もいろいろな国籍のものがありましたし、たとえばアイルランドのセントパトリックスデーや、チャイニーズニューイヤー、インドのバイサキなど、園にいる子どもたちの国のイベントは、みんなでお祝いしていましたね」
約4人にひとりが移民と言われるカナダ(2021年現在)。藤井さんには、多種多様な価値観を持つ人々が、たびたび大らかに映ったそう。
「たとえば、バンクーバーでは養子縁組の子どももわりといますし、お父さんふたり、もしくはお母さんふたりの家族もいました。また、国籍によって食習慣が全然違うことにも寛容でした。以前私が『馬も食べるよ』と、話の流れであると子どもに言ったらとても驚かれたけど、その親御さんは『奈央子はジャパニーズガールだからねえ』と、慣れた感じでした。こういうなに環境にいると、他人との違いにはとても大らかになりますよね」
そんなふうに他人を尊重する一方、バンクーバーの人々は「自分のことも大事にしている」と感じたという。
「自分のことを好き、というか、自信がある気がしますね。バンクーバーの保育園では『Show&Tell デー』といって、自分の好きなものを持ってきてそれについて話をする時間があるんですが、自分の意見を発表する場が小さい頃から多いし、その教育が大きくなったときの“自信”の原点にあるのかもしれません」
日本の保育園をまわって英語を教えた経験がある藤井さん。なにか教育の面で違いを感じたことはあっただろうか。
「日本では、そのクラス全体のレベルを上げていく、という印象でしたが、バンクーバーでは基本的に“個人を尊重する”というのが大前提で、ひとりひとりの好きなことを伸ばしてあげる方針でした」
そんなさまざまな人種の子どもたちと過ごした藤井さんからの、印象に残っている園児たちからのQがコチラ。