ずっと、自分に「これでいいのか?」と問い続けながら生きています
子どもの頃の自分は、ものすごく情熱的なのに、どこかで冷静でもありました。
友だちと夢中で遊んでいても、ふと「なんかバカバカしいな」と思うことがあったり……。
熱くなっている自分と、それを少し離れたところから見ている自分。
その両方が、いつも心の中にいました。
きっかけは、7歳くらいのとき。
やんちゃだったので、ある日教室の前に立たされ、先生がみんなに向かって「としろうくんがやった悪いことを黒板に書きなさい」と言いました。
そのとき、一緒に遊んでいたはずの友だちが「これをされた」「あれをされた」と、みんなでやっていたことを全部俺のせいにしたんです。
学級会のあいだは泣かなかったけど、帰り道で体から力が抜けて、道路にうずくまって泣きました。
悔しくて、涙が止まらなかった。
そのとき、もうひとりの自分――少し離れた場所から自分を見ている自分が、生まれて、泣いている自分をみて「なんで泣いてるの?」と聞かれました。
それ以来、「なんでそんなことしてるの?」「それでいいの?」と、もうひとりの自分がいちいちツッコミを入れてくるようになりました。
そして、それは今も変わりません。
どんなに一生懸命やっていても、心の中のもうひとりの自分が「それで本当にいいの?」と問いかけてくる。
若い頃は、それを「自分を信じられないからだ」と思っていたけれど、今は違います。
むしろ、「自分をちゃんと信じたいからこそ、確かめているんだ」と思えるようになりました。
人はみんな、心の中で自分と会話していると思う。
俺の場合は、それが“もうひとりの自分”との対話になっていて、今もずっと、自分に「これでいいのか?」と問い続けながら生きています。







