INTERVIEW

INTERVIEW

When I was your age

「わたしが君の年だったころ」

プロフィール

角野栄子

児童文学作家

角野栄子(カドノエイコ)さん

1935年東京・深川生まれ。大学卒業後、紀伊國屋書店出版部勤務を経て24歳からブラジルに2年滞在。その体験をもとに描いた『ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて』で、1970年作家デビュー。代表作『魔女の宅急便』は舞台化、アニメーション・実写映画化された。産経児童出版文化賞、野間児童文芸賞、小学館文学賞等受賞多数。その他、「アッチ、コッチ、ソッチの小さなおばけ」シリーズ、『リンゴちゃん』『ズボン船長さんの話』。紫綬褒章、旭日小綬章を受章。2016年『トンネルの森 1945』で産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、18年3月に児童文学の「小さなノーベル賞」といわれる国際アンデルセン賞作家賞を、日本人として3人目に受賞。2023年には、「魔法の文学館」(江戸川区角野栄子児童文学館)がオープンした。

ちょっと嫌だなと思うことでも、やってみてください

私は、まず「自分の好きなことを見つけること」がとても大切だと思っています。

 


私が子どもの頃は、ちょうど戦争が終わって、世界がパッと開けて自由になった時代でした。

 


外国の文化がどんどん入ってきて、私は自然と「もっと外国のことを知りたい」と思うようになりました。

 

その流れで大学では英文学を学びました。そして、次第に「ブックデザインの仕事がしたい」と思うようになり、紀伊國屋書店に入社しました。

 

 

そこから縁があって、ブラジルに渡ることになり、2年間ほど現地で暮らしました。帰国後、私は作家の道を歩むことになります。

 

好きなことって、最初は“憧れ”として現れるんですよね。その憧れを大事にして、コツコツ書いたり、調べたりすること。

 

 

もしそれが“本当に好きなこと”なら、続いていくし、ちゃんと育てていかなければいけません。そうするとますます好きになって、憧れはやがて、あなたの魔法になるでしょう。

 

私自身、童話作家になろうなんて35歳まで考えたこともありませんでした。でも、そのときどきに抱いた小さな憧れは、未来の自分をそっと助けてくれるようになるんです。大事にしたいですね。

 


だから私は、「思い出」って過去にあるものじゃなくて、未来に先回りして待っていて、助けてくれるものだと思っています。

 


ただね、学生の頃、あまり好きになれなかった科学とか物理とか、自分が苦手だったことを少しでもいいから勉強しておけばよかったとこの頃思うようになりました。

 


そうすればもっと自分の世界が広がって、例えば物語の中で物理が好きな男の子を描くことができたかもしれないでしょ?

 


先日、とある新入社員の入社式の挨拶でも話したんです。

 


「私はこれまで、ずっと好きなことをやってきました。でも最近は、もう少し“嫌なこと”にも挑戦してみればよかったなと思います。だから、あなたたちも、ちょっと嫌だなと思うことでも、やってみてください」って。

 


少しだけ嫌なことでも、やってみてください。

 


案外それが面白くて、あなたの世界を広げてくれるかもしれませんよ。

取材・文/Questionary編集部

INTERVIEW / 2025.07.30

  • わたしが君の年だったころ

プロフィール

角野栄子

児童文学作家

角野栄子(カドノエイコ)さん

1935年東京・深川生まれ。大学卒業後、紀伊國屋書店出版部勤務を経て24歳からブラジルに2年滞在。その体験をもとに描いた『ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて』で、1970年作家デビュー。代表作『魔女の宅急便』は舞台化、アニメーション・実写映画化された。産経児童出版文化賞、野間児童文芸賞、小学館文学賞等受賞多数。その他、「アッチ、コッチ、ソッチの小さなおばけ」シリーズ、『リンゴちゃん』『ズボン船長さんの話』。紫綬褒章、旭日小綬章を受章。2016年『トンネルの森 1945』で産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、18年3月に児童文学の「小さなノーベル賞」といわれる国際アンデルセン賞作家賞を、日本人として3人目に受賞。2023年には、「魔法の文学館」(江戸川区角野栄子児童文学館)がオープンした。

「勝負事はやるからには勝て」父の言葉のおかげ 記事一覧