すごくワクワクする質問ですし、まだこんなことを聞いてくれる方が地球にいた、というだけでうれしい!
木はお話しすると思います。
私は3、4歳の頃から、実際に木と話していた時代があったんですね。
ただ、会話をしていたというよりは、耳を木に押しつけて、木の中で何が起こっているのか知ろうとしたり、自分から一方的に心の中で、もしくは実際に語りかけたりしていました。
ひとりっ子で、いつも大人たちに囲まれた子ども時代だったので、大人は大人で難しい話をしているし、私の話を聞いてくれないこともよくあって。
でも、木は絶対に私が話すのを邪魔しなかったし、いつだって飲みこんでくれたし、大きな心で支えてくれたんです。
それに、人間からすると木に一方的にしゃべっているように思えるけど、木は木で、人間がとなりにいてくれると、「僕の話を一方的に聞いてくれてなんていい子なんだ」って、思ってくれてるんじゃないかな。
私は、たとえばペットボトルに入っているお茶も、命があってほしいと思うんです。口にしたときにこれほどの新鮮さを保っているということは、お茶も生きているって思っていて、自分の心の中でお茶が話しかけてきたら、それはもう会話ですよね。
だから、木だけではなくて、花や植物や虫、土のひとかけらだって、感情はあると思うし、そういう公園にあったものたちに話しかけて、子ども時代は助けられていました。
こんなふうに、しゃべらないから自分からしゃべりかけてみる、ということをよくしていたから、小学校に入ってからのお友達作りもうまくいった気がします。
でも今はもう、木には話しかけません。なぜなら、木同士が話しているほうが楽しそうだから。「お前は葉っぱがあってあったかそうだなあ」と別の木に話しかけている木がいたとして、そこに私の言葉はいらないし、今日も楽しそうにしゃべっているな、くらいに想像するのが好きです。